RUSSIAN POLITICS / UENO'S SEMINAR
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このブログの管理人(上野俊彦)の見解は管理人個人のものであり、管理人の所属する上智大学を代表するものではありません。
広告は管理人および管理人の所属する上智大学とは無関係です。掲載されている写真はとくに断りがない限り管理人が撮影したものです。

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ショールコヴォ第3196投票所の選挙結果の公表
私が開票まで監視したモスクワ州ショールコヴォ地区第3196投票所の選挙結果が、ロシア連邦中央選挙委員会のホームページから見ることができるようになりました。

もちろん、私たちが3月2日の投票日の深夜、投票所で開票・集計したときに確認した数字(3月7日のDiaryに載せた「壁に貼ったプロトコールの写真」=以下に再掲)と同じものです。このようにして、ほとんどすべての投票所で、選挙監視をしているはず(少なくとも共産党は)なので、その開票時の数字と、ホームページで発表した数字とが違いがあれば、上部の選挙委員会における集計プロセスでの過誤や不正がチェックできるはずです。
| Russia's Election 2007-08 | 22:37 | comments(0) | - |
ショールコヴォ地区の選挙結果
ロシア連邦中央選挙委員会のホームページで私たちが選挙監視した第3196投票所のあるショールコヴォ地区の選挙結果を見ることができます。ショールヴォ地区全体で105の投票所があるのですが、その全体の集計結果ということです。

しかし、まだ、投票所ごとのデータは見ることができません。少し入力に時間がかかるのでしょうか。

ショールコヴォ地区の選挙結果をみると、以下のようになっています。
投票率:55.79%
バグダーノフ候補の得票率:1.92%
ジリノフスキー候補の得票率:11.87%
ジュガーノフ候補の得票率:22.84%
メドヴェージェフ候補の得票率:61.46%

したがって、私たちが監視した第3196投票所の結果と大きな違いがないことがわかります。それゆえ、ショールコヴォ地区全体でも、選挙結果は正当なものであると推測することができます。
| Russia's Election 2007-08 | 17:48 | comments(0) | - |
交付した投票用紙の枚数確認、開票、集計
20:00に投票が締め切られると、いよいよ開票となりますが、開票の前に、公布した投票用紙の枚数確認をします。それは、以下の手順で行います。

1.上部の地域選挙委員会から投票所選挙委員会が受領した投票用紙の枚数はあらかじめわかっています。

2.公布した投票用紙の枚数を計算します。それぞれの選挙人名簿に選挙人が署名した数が公布された投票用紙の数に等しいはずです。それぞれの選挙人名簿を照合して投票用紙を交付した選挙委員ごとに、それぞれの選挙人名簿の署名の数を数えます。

3.在宅投票した人(つまり移動投票箱に投票した人)が署名した在宅投票証明書の枚数を数えます。

4.不在者投票証明書の半券の数と、追加選挙人名簿の署名の数とが、一致しているはずですが、この数を調べます。

5.公布されなかった未使用の投票用紙の枚数を数えます。

以上の2から4の作業で数えた数が、この投票所で公布された投票用紙の枚数であり、その数に5の作業で数えた未使用の投票用紙の枚数を足した数が、1で書いた上部の地域選挙委員会から受領した投票用紙の枚数と一致しなければなりません。もし一致しなければ、投票用紙が交付される前の過程で紛失したことになります。また、公布された投票用紙の枚数は、選挙人が投票用紙の交付を受けたあと持ち帰るなどして投票箱に投函されなかった投票用紙がない限り、まだ開けられていない2つの投票箱と、1つの移動投票箱の中に入っている投票用紙の枚数と一致するはずです。

下の写真は、未使用の投票用紙のスミをカットして不正使用できないようにするための作業です。ちなみに手前の人の服の肩章にМВД(内務省の略称)とあるのは、この人が投票所の警備を担当するミリツィア(警察官)であることを示しています。危険な作業はお手の物なのですね。

ここまでの作業を終えるのに2時間以上かかりました。

こうしていよいよ開票です。投票箱を開けたあと、候補者ごとに投票用紙の山をつくっていき、それぞれの候補者の山の枚数を数えます。私は、選挙委員のすぐ斜め後ろから、開票作業をじっと見ていました。下の写真は各候補者の山をつくっていくところです。

まず、メドヴェージェフ候補と、その次に得票が多いと予測されるジュガーノフ候補の投票用紙が山に積まれていくときに、確かに間違いなくそれぞれの候補の四角の空欄に印が付いているかを見ていました。たまたま、メドヴェージェフ候補とジュガーノフ候補の山が並んでいたので、私はその間にいて、ほぼ交互に積まれていく両者の投票用紙をすべて視認できました。間違いはありません。下の写真はメドヴェージェフ候補に投じられた投票用紙の山です。

次に各候補者の投票用紙の枚数を数えます。各候補者の枚数を数える作業が同時に行われたので、私は、メドヴェージェフ候補の枚数を数える選挙委員の斜め後ろにいて、その委員と一緒に、私も頭の中で、1、2、3と、数えていきました。間違いはありません。

何回も数え直すので、ジュガーノフ候補の枚数も間違いないことが確認できました。

こうして、すべての候補者の得票数が確定したあと、それを合計した枚数と、交付した投票用紙の枚数とが、一致するはずでしたが、公布した投票用紙のほうが1枚多いことがわかりました。つまり持ち帰り票が1枚あったということになります。

集計の結果をすべてプロトコールという用紙に記入します。それは壁に貼られています。下の写真がそれです。このプロトコールの数字が、やがて公表されるロシア連邦中央選挙委員会のホームページで公表される第3196投票所のデータと一致しているはずです。

プロトコールの写真は小さいのでおもな数字を下に示しておきましょう。

投票終了時に選挙人名簿に記載されている選挙人の数:2130
投票日に投票所で投票された投票用紙の数:1103
投票日に投票所の外で(つまり在宅投票で)投票された投票用紙の数:29
投票所の投票箱の中にあった投票用紙の数:1102
移動投票箱の中にあった投票用紙の数:29
無効投票の数:30
有効投票の数:1101
バグダーノフ候補の得票数:29
ジリノフスキー候補の得票数:104
ジュガーノフ候補の得票数:279
メドヴェージェフ候補の得票数:689

持ち帰り票が1枚あったほかは、それぞれの数字に矛盾はありません。

この投票所の投票率は、持ち帰り票を含めて1132÷2130=53.15%です。

各候補者の得票率は以下のとおりです。
バグダーノフ候補の得票率:29÷1132=2.56%
ジリノフスキー候補の得票率:104÷1132=9.19%
ジュガーノフ候補の得票率:279÷1132=24.65%
メドヴェージェフ候補の得票率:689÷1132=60.87%

99.55%開票時の全国の集計結果では、投票率は69.71%、各候補の得票率は、バグダーノフ候補が1.29%、ジリノフスキー候補が9.37%、ジュガーノフ候補が17.76%、メドヴェージェフ候補が70.23%ですから、この投票所では、全国平均に比べて、投票率は16%以上低いこと、ジュガーノフ候補が比較的強く、メドヴェージェフ候補がやや得票率が低いこと、などのことがわかります。
| Russia's Election 2007-08 | 00:32 | comments(0) | - |
不在者投票証明書による投票
このDiaryの3月6日の「旅行者への投票の呼びかけ」のところで書いたように、ロシアでは、病院、駅、遠洋航海中の船舶、局地観測所、長距離列車などにも、投票所を設けています。また投票日に仕事の都合で、あるいは旅行などで自分の居住地以外の場所にいる場合には、任意の投票所で投票することができます。

こうした、自分が本来投票すべき投票所以外の投票所、つまり自分の氏名・住所が記載されている選挙人名簿が置かれている投票所以外の投票所で投票する場合には、あらかじめ不在者投票証明書(直訳では登録抹消証明書открепительное удостоверение と言います)の交付を受けておく必要があります。

この不在者投票証明書には、投票時に投票所で切り離される半券(отрывной талон)が付いています。下の2枚の写真は、その不在者投票証明書(右側部分が半券)と、投票用紙の公布に際して投票所で半券を切り離しているところです。

この不在者投票証明書は、45日前から20日前までは当該選挙人の氏名が記載されている選挙人名簿のある地域選挙委員会で、19日前から投票日当日までは当該選挙人の氏名が記載されている選挙人名簿のある投票所で、理由を書いた書面により不在者投票証明書を請求した当該選挙人または法定代理人に交付されます。

不在者投票証明書には、その不在者投票用紙を請求した当該選挙人の氏名、住民登録番号など、個人IDが、本人の写真付きの住民登録手帳を確認して記載されます。そして、不在者投票証明書を交付した投票所では、二重投票を防止するため、選挙人名簿に不在者投票証明書を交付したことが記録され、不在者投票証明書を交付した選挙人のリストが作成され、上部の選挙員会に報告されます。

不在者投票証明書を持った選挙人は、任意の投票所に行き、不在者投票証明書を提示し、半券を切り離し、本人の住民登録手帳を提示し、それを確認して投票所の選挙委員が不在者投票証明書に記載されている氏名を追加選挙人名簿に記入し、その横に不在者投票証明書を提出した選挙人が署名して、投票用紙が交付されます。当該投票所では、当然、投票を行った選挙人の氏名がすべて選挙人名簿および追加選挙人名簿に残ります。

この方法では、選挙人がいくつもの投票所で投票するためには、不在者投票証明書を投票する回数分だけ複製しなければなりません。しかし、写真を見ればわかるとおり、不在者投票証明書は有価証券のような細かい模様のある用紙で、複製は極めて困難です。また公布の際にも、投票の際にも、選挙人の氏名などが記録されるので、あとで調べれば二重投票はばれます。手続き的には、不在者投票証明書がどの人物に交付されたか、その人物がどこで投票したかが確実にわかるからです。

下の写真は、この不在者投票証明書により投票用紙の公布を受けたところを写したものですです。選挙人が、今まさに、選挙委員から、住民登録手帳、半券を切り離した不在者投票証明書、投票用紙を受け取ったところです。
| Russia's Election 2007-08 | 23:40 | comments(0) | - |
投票の模様
選挙人(有権者)の一般の投票は以下の手順で行われます。

まず、住所別に分けられた選挙人名簿を照合し投票用紙を交付する係のところに行きます(下の写真)。天井近くにつりさげられている表示は、それぞれの机にどの住所の選挙人名簿が置かれているかを示したものです。選挙委員は、選挙人が持参した写真付きの住民登録手帳と選挙人名簿とで氏名・住所を照合し、間違いがなければ、その選挙人に、選挙人名簿の氏名・住所の印刷されている横の部分に署名してもらって、投票用紙を交付します。日本では、投票所入場券を持参しさえすれば、署名もせず、本人確認も行わずに投票用紙を交付していますので、投票所入場券を不正に入手して替え玉投票をすることが可能ですが、ロシアでは、厳密に本人確認をおこなった上、選挙人本人が投票用紙の交付を受けたことを確認する署名をして投票用紙を受け取りますので、日本よりも替え玉投票などが行われにくいしくみになっています。

投票用紙は記号式といい、大統領選挙の場合は、あらかじめ印刷された候補者のうち、投票したいと思う候補者の名前の右側にある四角の空欄に任意のしるしを1つだけつけることで投票を行います。下の写真の投票用紙は、開票時に撮影したものです。投票用紙の右上には、投票用紙の偽造を防ぐためにホログラムの証紙が貼ってあり、その証紙に重ねて投票所選挙委員会の公印が捺印され、委員長の署名がなされています。投票用紙の偽造を防ぐための仕組みもかなり念の入ったものです。


記入用のブースは、投票所によって統一がとれていませんが、日本のように両側に仕切りの付いた記入台の場合もありますし、衣料品店の試着室のようにカーテンなどで仕切られた個室の場合もあります。今回、私が監視した投票所の記入ブースは、下の写真のように、上半身だけがカーテンで隠れるものでした。

投票箱に投票用紙を投函する様子です。今回の大統領選挙の投票用紙はA4くらいの大きさのものだったので、二つ折りにして投票している人が多かったですね。

候補者の写真と氏名・略歴・公約などの書いてあるポスターが投票所内の壁面に貼られています。なお、奥に貼られているのは同時選挙で実施された地区長選挙のものです。これらのポスターを見ている人はあまりいませんでした。また写真にあるように投票所内に風船などが飾り付けられているのですが、これも、選挙がロシア国民にとって一種の「お祭り」だという意識を示すものだと考えられます。実際、投票所選挙委員長が、投票所に来た人に「祝日おめでとう」としばしば声をかけていました。また、投票所内に選挙人が入ってくると、選挙人のほうも、投票所選挙委員のほうも、互いに、「こんにちは」とか「おはよう」とか、声を掛け合っていました。また投票を終えて出ていく選挙人に対して投票所選挙委員長が必ず「投票ありがとう」とか、とくにお年寄りには「次の選挙にもまた来て下さいね」などと、ある意味、長寿を祈る言葉をかけていたのも印象的でした。また、初めて投票所に来た18歳の若者には、投票後、メモ帳とボールペンをプレゼントしていました。
| Russia's Election 2007-08 | 22:54 | comments(0) | - |
投票所での開所手続き
投票所での開所手続きは、すでに書いたように、きちっとした手順で行われます。下の写真は投票箱です。小さいのが移動投票箱です。

下の写真は投票箱の封印をしているところです。
| Russia's Election 2007-08 | 22:02 | comments(0) | - |
投票所での選挙監視
ロシア連邦大統領選挙法により、投票日当日にどの投票所で選挙監視をするかは、選挙監視員の自由であり、選挙監視員証さえあれば、任意の投票所に立ち入ることができることが保障されています。

しかし、任意の場所と言っても、選挙監視をする側からすると、投票日に投票の始まる8:00の少なくとも15分前、できれば30分前の7:30頃までに監視する投票所に到着しなければなりませんので、宿泊先からあまり遠いところは現実的ではありません。そのため、モスクワ市内に宿泊している場合は、モスクワ市内またはせいぜいその外側のモスクワ州内の投票所で監視を行うことになります。もちろん、事前に遠方の地方のどこかのホテルを予約しておき、投票日前日に鉄道または飛行機などで移動しておけば、遠隔地の投票所で監視することも可能です。私たちは、ずっとモスクワに宿泊しているので、昨年12月の国家会議(下院)選挙の選挙監視はモスクワ市内の投票所で、今回は、モスクワ市から外に出たモスクワ州の投票所で選挙監視を実施することにしました。

選挙監視は、すでに述べたように、投票日には、7:30頃までに投票所に到着して、投票開始前に行う開所手続きの監視から始めます。開所手続きは、おおむね以下のようなものです。ゞの投票箱の確認、投票箱の封印の確認、4日前に投票された投票用紙が封入された封筒の開封、い修海防入されている投票用紙の投票箱への投函の確認、です。

それらの開所手続きが終了した後、8:00に投票所の入り口が開けられ、選挙人(有権者)の投票が始まります。

選挙監視は、3人の監視員のうち私だけは、開所手続きを監視した投票所に、投票締め切りの20:00まで滞在し、その投票所で行われる開票作業をそのまま監視し続け、集計が終了し、,修療衂悉蠅料挙人名簿に掲載されている選挙人数、投票所が地区選挙委員会から受領した投票用紙の数、E衂柴に投票所で選挙人に交付された投票用紙の数(選挙人名簿に投票用紙を受領した選挙人の署名があるので、それと照合することを含む)、づ衂屡△謀衄,気譴薪衂射兒罎凌堯奮票時に数える)、コ童補者の得票数(開票時に数える)、などを記入したプロトコールを記入するまで、すべての作業を監視し、投票用紙の数を数える作業もすぐ近くで間違いがないか確認しながら監視します。

監視員の残りの2人は、開所手続きと開票作業・集計は私が監視する投票所で一緒に監視しますが、それ以外の時間は、近隣の投票所を10か所程度巡回します。

さて、この選挙監視をする投票所のうち、私が監視する(定点監視と言っています)投票所を事前にロシア連邦中央選挙委員会に通報したり、あるいは何らかの形で伝わってしまうと、日本の監視員から「この選挙は公正だった」という評価を引き出し、それを世界中に向けて宣伝したいと考えている可能性のある中央選挙委員会が、私たちが監視を実施する投票所に対して、投開票をすべて公開して不正のないよう慎重に作業するように通達したり、場合によっては投票所選挙委員をしっかりした人物に交代させたりしてしまう可能性がないとは言えません。ですから、選挙監視を実施する投票所は事前にロシア側に通告しないことはもちろん、悟られないようにする必要があります。

私の1月31日のDiaryで明らかにしたように、1月19日のロシア政府の新聞『ロシア新聞』に、チューロフ中央選挙委員長が日本の選挙監視員の報告書が最も質が高かったと述べたことなどが掲載され、欧米諸国が選挙監視員を派遣しない中で、日本が選挙監視団を派遣したことが注目され、その日本の選挙監視団がロシアの選挙にどのような評価を下すのかが国際的にも、日露関係においても、政治的にきわめて重要な意味を持つことが、明らかになりました。そのことにいち早く気づいた私は、大統領選挙の選挙監視の実施に当たっては、中央選挙委員会の目の届きやすい、そして日本の選挙監視団が監視する可能性が高いと想定されるモスクワ市内の投票所ではなく、モスクワ市以外の地方での投票所で選挙監視を実施すること、どの地域、どの投票所で選挙監視をするかを一切秘密にしようと考えました。もちろん選挙監視を実施した投票所はただちに上部の地区選挙委員会に日本の選挙監視団が来たことを知らせることにはなりますが、少なくとも、その投票所が事前に日本の選挙監視団が来ることを察知することはありません。そうしないと、必ずロシア側が選挙監視後の評価が高くなるよう事前に準備をしてしまう可能性があると考えたからです。

そのため、私が選挙監視を実施しようと考えていたモスクワ州のショールコヴォ地区を投票日の前日に下見したときも、投票日前日なので投票所でいろいろな準備作業をしているでしょうから、投票所の中には立ち入らないのはもちろん、視認できる程度の距離から投票所の所在地だけを確認してまわるだけにとどめました。

下の写真は、私が定点監視した投票所の写真です。この投票所の前で、NHKのインタビューを受けたので、この建物に見覚えのある方もおられると思います。

投票所の建物の入り口の横には、ロシア連邦大統領選挙の投票所であることを示す看板が掲げられています。写真の空中で点々と光る白いボールのようなものは、カメラのストロボに照らし出された雪の粒です。
| Russia's Election 2007-08 | 21:46 | comments(0) | - |
昨年の国家会議(下院)選挙の際に選挙監視を実施した投票所を再訪
ロシア連邦中央選挙委員会のジューコフ国際局長から、「昨年12月の国家会議(下院)選挙の監視後に日本の選挙監視団が中央選挙委員会に提出した報告書の提案に従って投票所内の設備の配置などを改善し、施設を改良したので、ぜひ昨年監視したモスクワ市第83投票所を視察してほしい」との要請がありました。投票日前日で私たちも忙しいのですが、もっと忙しいはずのチューロフ中央選挙委員長も同行するというのでは、断るわけにいきません。

現地に行くと、たくさんのロシアのメディアが待ち受けていて、狭い投票所内はたいへんな混雑でした。その中をチューロフ中央選挙委員長は、下線を引いたりしながらしっかりと読んだ形跡のある私たちの報告書の該当箇所を示しながら、「ここに書いてあった通り、このように直した」とか言いながら、私たちを案内して回りました。

チューロフ氏が私たち日本の選挙監視団を宣伝に利用しようとしていることは明らかです。でも、これはどういう宣伝なのでしょうか。おそらく日本の提案に従ってロシア側は誠実かつ着実に選挙制度や投票所の施設を改善しています、ということをアピールしているのでしょう。

以下の写真は、中央選挙委員会側が撮影した視察の模様です。写真がいま一つ鮮明でないのは、中央選挙委員会に展示されてあった写真を私がもう一度カメラで撮影したためです。この日本選挙監視団の視察の模様は、同日のロシアのテレビ局のニュースで伝えられました。
| Russia's Election 2007-08 | 21:40 | comments(0) | - |
バグダーノフ候補の署名集め
ロシア民主党党首のバグダーノフ(Богданов Андрей Владимирович 下の写真はロシア民主党ホームページから)候補の選挙対策本部を訪ねました。

聞きたいことは、何と言っても、200万もの署名をどうして集めることができたのかということです。

ロシア連邦大統領選挙法によれば、国家会議(下院)に議席を持たない政党の指名候補、あるいは個人候補は、200万の署名を集めてロシア連邦中央選挙委員会に提出し、署名が真正なものと認められた場合、立候補が認められることになっています。これは、たとえば、日本の選挙などにある供託金制度(立候補のために一定の金額を納めさせる制度)のかわりになるもので、当選することが目的ではなく、売名や自分の経営する企業などの宣伝のためだけに立候補するような、いわゆる泡沫候補を排除するためとされています。

200万の署名を集めるのは並大抵のことではありません。しかも、大統領選挙法によれば、一つの連邦構成主体で集められる署名の上限が50,000名までとされています。したがって、全国で40以上の連邦構成主体で署名を集めなければなりません。

元政府議長のカシヤーノフ(Касьянов Михаил Михайлович)氏は署名に不備があったとして立候補を認められませんでした。それだけに、なぜバグダーノフ氏が首尾よく署名集めに成功したのか、クレムリンが政権に批判的なカシヤーノフ氏に不利な、そしてバグダーノフ氏には有利な取扱いをしたのではないのか、いろいろな疑問が提起されていました。とにかく、ロシア民主党は、昨年12月の国家会議選(下院)挙で、得票数わずか89,780票、得票率0.13%の極小政党なのですから、そんな9万票にも満たない票しか集められない政党の党首がどうして200万もの署名を集めることができたのかは、確かに謎です。


バグダーノフ氏の選対本部(上の写真)でお目にかかったのは、選対本部長で、ロシア民主党執行委員長のスミルノフ(Смирнов Вячеслав Николаевич 左の写真はロシア民主党のホームページから)氏です。スミルノフ氏は、問題の署名集めについては、要旨以下のようなことを話してくれました。

◆署名集めは複数の広告宣伝会社に依頼した。広告会社に支払った署名集めの費用は、広告会社との契約により異なるが、平均すると署名1つについて10ルーブルを支払うという、いわゆる出来高払い契約である。

◆署名を集める際に、必ずしもバグダーノフ候補への投票を義務付けるものではなく、また支持していることを条件とするものでもないと説明して署名をしてもらうこともある。その場合、たとえば、バグダーノフ候補のような若い候補が立候補することに賛成するならば支持していなくてもよいから署名してほしいとか、もっと多くの候補者が立候補すべきだという考えに賛成してくれるなら署名してほしいとか、いろいろな説明の仕方で署名を集める。

◆わが党は、昨年来、国家会議(下院)で議席を取ることよりも、バグダーノフ党首を大統領選に立候補させることを目標に党活動をおこなってきた。過去の選挙でも、また昨年の国家会議選挙でも、わが党は署名集めをおこない、署名集めについては豊富な経験を有している。

ざっと、こんな説明だったのですが、広告宣伝会社に出来高払いで署名を集めさせるという説明は、署名集めのための費用の総額200万×10ルーブル=2,000万ルーブルという金額がロシア民主党の財政状況で可能であり、かつ党の財政報告に間違いなく計上されているのであれば、それなりに説得力のあるものです。もちろん、この話が真実であるのかどうかは、党財政の調査を含めて、ウラを取らなければわかりませんが。
| Russia's Election 2007-08 | 20:16 | comments(0) | - |
ジリノフスキー候補の選挙集会
大統領選挙に立候補しているロシア自由民主党の党首、ジリノフスキー(Жириновский Владимир Вольфович)氏の選挙集会に参加してみました。

選挙集会が行われたのは、この種の選挙集会がしばしば行われるクレムリン近くの中央展示場(通称、マネージМанеж)です。

支部ごとに集まろうということなのか、会場の前では支部のプラカードを持った人が立っています。プラカードに書いてあるВООは、[モスクワ市]東部行政管区支部、ЛДПРはもちろんロシア自由民主党の略称です。

会場は、おそろいのブルーのキャップをかぶった支持者たちで、熱気むんむんです。結構、学生など若い人もたくさん来ています。そんな支持者の何人かに話を伺ってみたのですが、やはりみんなジリノフスキー氏の政策や考えを支持しているとのことでした。たとえば住宅政策などについても、支持している人が何人かいました。おもしろかったのは、ジリノフスキー氏の支持者なのに、プーチン大統領の政策を高く評価している人が結構いたことです。

ジリノフスキー氏は、派手な身振り手振りで、演説がとても上手です。私たち日本の選挙監視団が来ていることは、この演説の前に、会場で選対本部の幹部の方と面談しているので、ジリノフスキー氏にも伝わっていたのでしょう、選挙演説では珍しく日露間の領土問題についても、とくに長い時間をとって自説を展開していました。
| Russia's Election 2007-08 | 19:43 | comments(0) | - |
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