RUSSIAN POLITICS / UENO'S SEMINAR
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ウクライナについて(この2か月のTwitterから)
この2か月ほどのTwitterfacebookの書き込みから転載します。

◆7月24日のTwitterより[メドヴェージェフ・ロシア首相の発言に対して]
メドヴェージェフ・ロシア首相、「ロシアにはウクライナでの紛争の責任はない。責任は現在及び過去のウクライナ政府にある」と。それはないと思う。ウクライナ政府に最大の責任があるのは事実だが、EUや米国にも、ロシアにも、責任はあると思うが。

◆9月1日のTwitterより[8月31日のキエフ最高会議ビル前の騒乱・爆発事件の映像に対して]
キエフのウクライナ最高会議ビル前の騒乱の映像を見る限り、参加者の持つ旗は、ウクライナ国旗よりも自由(スヴァボーダСвобода)党の旗のほうが多い。過激なウクライナ民族主義を体現するこの党はドネツィクとルハンシクに自治権を与える憲法改正に強く反対し、騒乱を引き起こしたわけだ。
しかし、ウクライナ最高会議ビル前での爆発を引き起こしたのが自由党員であるかどうかはわからない。
それにしても、ヤヌコーヴィチ政権崩壊のきっかけとなった昨年2月の騒乱での射殺事件にしても、いまだに誰が仕掛けたのかはっきりしない。
昨年の春、私は、ドネツィクやルハンシクに自治権を与える連邦制を導入しないと内戦になるとあちこちで発言したが、結局、内戦でぐちゃぐちゃになった今になって連邦制導入が審議されている。
そして、その審議中に、またまた騒乱、爆発だ。このままでは連邦制導入は難しいかも知れない。
しかし、ここまでウクライナ情勢がこじれるとは!
 
| about Ukraine | 09:55 | comments(0) | - |
ウクライナのキイウで2014年2月21日から22日にかけて起きた出来事から1年
複雑な政治的事件の原因や始まりは一つではない。こんにち「ウクライナ政変」または「ウクライナ危機」と呼ばれている事件も、その原因や、そもそもいつから始まったのか、ということを一つに特定することは難しい。とはいえ、今日から1年前の2014年2月21日から22日にかけてキイウで起きた一連の出来事が「ウクライナ政変」の一つの区切りであったことは間違いない。

在ウクライナ日本国大使館の『ウクライナ週報【2月15日〜2月21日】』(2014年2月25日)は、2月21日の項に以下のように記している。
 
▼大統領・政府及び野党・反対派の協議
・21日、ヤヌコーヴィチ大統領は、EU3カ国代表(独・ポーランド外相及び仏外務省欧州大陸担当局長他)同席の下、野党3党指導者(クリチコ・ウダール党党首、ヤツェニューク・バチキフシチナ党会派長及びチャフニボク・スヴォボーダ党党首)と政治危機解決に向けた合意文書に署名。ロシア代表のルキン人権委員他3名は、合意のアクターが不明であること等を理由に同席せず。合意内容は、挙国一致内閣の樹立、本年12月までに繰り上げ大統領選挙実施、最高会議で大統領の権限を制限する2004年憲法への回帰法案採択、 与野党・欧州評議会監視の下、暴力行為の責任者の捜査、政府・反政府双方の暴力停止・違法な武器所持の停止、占拠した建物・道路の解放、及び「恩赦法」の採択。
▼野党及び反政府側の動向
・21日、午後8時頃、野党3党党首が反政府活動家・キエフ市民で満杯の独立広場に登場し、ヤヌコーヴィチ大統領との合意等に関する説明を実施。ヤツェニューク・バチキフシチナ党会派長は、合意内容は最善策でなく大統領選の時期見直し等が必要であり、独立広場での反対運動を継続する旨発言。これに対し、全国「独立広場」連盟、「ライト・セクター」及び「自警隊」等は合意内容に不満を示し、ヤヌコーヴィチ大統領の即時辞任及び繰り上げ大統領選挙実施、及び反政府活動家等を襲撃した責任のある警察実行部隊、同幹部、検察官及び裁判官等の処罰を要求し、犠牲者の棺を示す等して野党党首に対し「恥を知れ」と連呼。

その1週間後に発行された在ウクライナ日本国大使館の『ウクライナ週報【2月22日〜2月28日】』(2014年3月4日)は、2月22日の項に以下のように記している。
 
▼最高会議での動き
・22日、午前10時頃より本会議が再開。審議における結果は概要以下のとおり。
−ティモシェンコ元首相をベニス委員会決定に基づき即座に解放する旨の法案が採択(賛成322)。(同日午後17時過ぎ、同元首相釈放)
−21日に2004年憲法への回帰を認める法案が採択されていたものの、ヤヌコーヴィチ大統領が与野党合意による期限内に署名を行わなかったとして、同憲法を即座に発効させる法案が採択(賛成325)。
−ヤヌコーヴィチ大統領は憲法に定められた権限を放棄し義務を遂行し得ないとし、5月25日に繰り上げ大統領選挙を実施する旨の決議案が採択(賛成328)。

これらの『ウクライナ週報』の記事には、2014年2月21日の深夜から翌22日の未明にかけてヤヌコーヴィッチ大統領が逃亡したことは直接的には書かれていないが、引用した22日の項の最後の部分に、「ヤヌコーヴィチ大統領は憲法に定められた権限を放棄し義務を遂行し得ない」と書かれていることから、このときすでにヤヌコーヴィチ大統領がその権限を行使していなかったことがわかる。
 
この2日間の記事を読んですぐに気付くことは、21日に、EU3ヵ国代表の同席の下、ヤヌコーヴィチ大統領と野党3党指導者が、政治危機解決に向けた合意文書に署名したことである。しかし、この合意は実施されなかった。それどころか、この合意の一方の当事者であるヤヌコーヴィチ大統領は逃亡してしまった。なぜなのか。そのことは、そのすぐあとの『ウクライナ週報』の記述が教えてくれる。すなわち、「21日、午後8時頃、野党3党党首が反政府活動家・キエフ市民で満杯の独立広場に登場し、ヤヌコーヴィチ大統領との合意等に関する説明を実施。・・・これに対し、全国「独立広場」連盟、「ライト・セクター」及び「自警隊」等は合意内容に不満を示し、・・・野党党首に対し「恥を知れ」と連呼」し、このあと、『ウクライナ週報』には書かれていないが、大統領府へと、全国「独立広場」連盟以下の過激派が突入したからである。

「力による現状変更は認めない」という発言は、昨年を通じて、安倍総理や岸田外相がしばしば口にしていたことである。その念頭に置かれていたのは、ロシアであり、中国であったようだが、ウクライナ政変における力による現状変更の最初のものは、この2月21日から22日にかけて起きている。

その後に起きたロシアによるクリミアの併合、東ウクライナにおける武力紛争に関して、当事者であるロシアや武力紛争に関与しているウクライナ政府側・東ウクライナ武装勢力側について、その行動を免罪したり支持したりするつもりはないが、この2014年2月21日から2月22日にかけての「力による現状変更」という最初のボタンの掛け違いがなければ、ウクライナにおけるその後の一連の紛争は避けられた可能性が高い。その意味では、この2014年2月21日の合意の実施を妨げた人々の責任はきわめて重いと言わざるを得ない。

 
| about Ukraine | 12:48 | comments(0) | - |
2月12日ミンスクにおける停戦合意

昨日の読売新聞朝刊3面に掲載された私のコメントを載せます。

| about Ukraine | 10:55 | comments(0) | - |
東ウクライナにおける住民投票の実施について
ロシア語学科卒業生で、某TV局の外報部記者をしているORさんから今日おこなわれている東ウクライナの住民投票について質問があったのでその回答を作成しました。質問はORさんによるものです。

●親ロシア派は今回住民投票をすることで何を得たいのか?

住民投票の設問は、「あなたはドネツク人民共和国(ルガンスク州の場合は、ルガンスク人民共和国)の国家独立宣言を支持しますか?」です。
それゆえ、住民投票の最終的な目的は、文字通り、ドネツク州およびルガンスク州のウクライナからの分離独立です。
住民投票の主催者は、住民のうち過半数が独立を支持しているという事実を世界に向けて明らかにすることで、とりあえずは、自分たちの独立の主張が正当なものであることを示そうとしていると考えられます。
そして次のステップは、クリミアの例にならって、両州のロシアへの編入だと思われます。

●プーチン大統領が延期を要請したにも関わらずなぜ応じないのか?

5月25日の大統領選挙の前に住民投票を実施して分離独立を既成事実化し、大統領選挙が全ウクライナの国民の意志が表明されたものでないことを示したいと考えていると思われます。
ウクライナの東部および南部のロシア系住民は、ウクライナの暫定政権を含む四者協議がジュネーブで開催されたことで、国際社会がキエフの暫定政権をウクライナの正当な政権であることを暗黙のうちに認めたと考えており、このことに対して強い不満を持っています。
ジュネーブの四者協議にはロシア政府代表も参加しており、その意味では、住民投票の主催者は、四者協議に参加したことでプーチン政権も国際社会に妥協したと見なしており、そのことに対しても若干の不満を持っていると考えられます。
住民投票の主催者は、プーチンによる住民投票の延期の要請をそうしたロシアの妥協的態度の延長線上にあるものと考え、自分たちは妥協には応じない、つまり自分たちは正当な選挙で選出されたヤヌコーヴィチ政権を力づくで打倒して成立したキエフの暫定政権を絶対に認めないという立場を貫きたいと考えていると思われます。
ウクライナ東部および南部のロシア系住民にとって、ロシア語の公用語としての地位の維持は、ロシア語による学校教育の存続などを含め、譲ることのできない一線です。キエフの暫定政権とくにヤツェニューク首相代行は、EUや米国の示唆によってロシア語の公用語としての地位を認めるような発言をしているものの、そもそもクーデタによって政権を奪取し、ロシア語使用を禁止する政策を掲げてきた過激なウクライナ民族主義者の政党である「自由(スヴァボーダ)」やヤヌコーヴィチ政権を暴力的に打倒した中心勢力である武闘派民族主義者の「右派セクター」などが加わっている暫定政権を、ロシア系住民はまったく信用しておらず、これらの政党が政権にある限り、ロシア語の公用語としての地位は守られることはないであろうし、自分たちの権利や利益は守られないであろうと確信していると考えられます。

●プーチン大統領には建前と本音があると思うが、なぜ延期を要請したのか?

現時点でのプーチンの本音は、ウクライナの連邦制化、少なくともロシア系住民の多い州の自治権の拡大であり、その意味では住民投票は必要だと考えていると思われます。また前政権を力による打倒して成立した暫定政権は正統性がなく、非合法的であるというのが本音だと思います。
しかし、米国EU日本等は、キエフの暫定政権を暗黙のうちに承認してしまっているので、ジュネーブの四者協議に参加してロシアも暗黙のうちに暫定政権を認めた格好になってしまっており、そこでの合意を実行しなければならない国際的非難を浴びることになり、それはなるべく避けたいというのも本音だろうと思います。
EUや米国の重視している大統領選挙の実施を妨害する立場ではないことを示すために、住民投票の延期の要請をしたものと思われます。
 
| about Ukraine | 14:35 | comments(0) | - |
再び緊迫してきたウクライナ情勢(4月8日Twitterまとめ)
3月31日の在校生ガイダンス、4月1日の学部新入生学科別集会、2日の大学院入学式、3日の大学院生ガイダンス、4日の大学院新入生個別ガイダンス、5・6日の新入生オリエンテーションキャンプ(1泊2日)、と新学期行事が続いているうちにウクライナ情勢がまた緊迫してきた。授業準備をさせて!

東ウクライナのロシア系住民はキエフの暫定政権を信用していないはずだ。なぜなら、ウクライナ国民が選挙で選んだ政権を力によって打倒した政権だからだ。クリミア編入に対し、力による現状変更だとして対露制裁が実施されているが、ロシア系住民からすれば、やられたからやり返しているだけだろう。

前政権を力で倒した暫定政権に対して国際的非難はない。暫定政権の一角を占めるウクライナ民族主義政党の「自由」は東ウクライナにおける反テロ作戦の実施を主張している。暫定政権も治安部隊を増派している。東ウクライナで内戦状態になればロシア軍が介入することになる。みんな何を考えているんだ。
| about Ukraine | 15:51 | comments(0) | - |
3月21日付『北海道新聞』朝刊6頁掲載コラム
少し遅くなりましたが、3月21日付『北海道新聞』朝刊6頁に掲載されたコラムをここに載せます。新聞の主たる購読地域が北海道であることから、日露関係への影響について、とくに言及しています。これも、電話インタビューを記者さんがまとめたものです。

 
| about Ukraine | 22:56 | comments(0) | - |
3月20日Twitterのまとめ
1か月前の今日、ヤヌコーヴィチ前大統領が、EU(独仏ポーランド)代表の仲介により、野党3党代表と会談、大統領選挙の前倒し、挙国一致政府の発足、大統領権限を制限する憲法改正などの「合意」に署名した。この合意を無視して「右派セクター」など過激派が暴走した結果が今日の事態を招いたのだ。

今さら言っても仕方がないが、今、米国やEUが言っている対ウクライナ支援策を、ヤヌコヴィッチがEUとの「連合協定」調印見送りを決めた2013年11月29日よりも前に、米国やEUが提示し、そのことをロシアにもきっちり説明して理解を求めていれば今日の事態はまったくなかったはずだ。

安倍総理は3月19日午前の参院予算委員会で、ロシアのクリミア編入を非難し、「力を背景とする現状変更の試みを看過できない」と述べた。その通りだ。注文を付ければ、「力を背景とする現状変更は不当である」とはっきり言ってほしかった。もちろん、それはキエフの暫定政権にもあてはまる。

ロシアのクリミア編入は「戦後秩序の破壊」という受け止め方がある。「戦後秩序」なんてあったのかとも思うが、それはさておき、そういった大所的見地から言えば、旧ソ連国内のたんなる行政区画にすぎなかったものがソ連解体により国際国境となったことに問題の端緒がある。

もちろん国際国境となっても隣接国同士の関係が良好なら国境線はかつての行政区画の境界線と同様の意味しかないだろう。しかしその両国の関係が悪化したとき、その国境を挟む親兄弟親戚友人はどうなるのか。東京都と神奈川県の境界線が国境となり、東京都と神奈川県の関係が悪化したらと考えてみよう。

ここのところ連日、どこかのテレビ局や新聞で質問に答えたり意見を述べたりする機会をいただいている。ありがたいことと感謝している。しかし話したいことを自由に話しているわけではない。質問するのは報道する側だ。聞きたいから聞く。それは当然だ。しかし、私が話したいことと少しズレがあるのだ。

対露制裁がどのようなものになるか? その効果は? ロシアのクリミア編入の意味は? 今後のロシアのねらいは? これらのことにメデイアの関心があるようだ。しかし、今一番重要なのは、ウクライナ国内のロシア系住民とウクライナ民族主義者との対立だ。それが、そもそもの始まりだったのだから。

東ウクライナで、ロシア系住民とウクライナ民族主義者との衝突が起こり、それが激化したら大変なことになる。在外同胞の保護のためロシア軍の介入もあり得る。それをやらせて、さらにロシアをたたこうとする者がいるとは思いたくないが、今は、ウクライナ国内の治安維持が最も喫緊の問題のはずだ。

ウクライナの政治家は、だれでも、程度の差はあれ、どうやって西ウクライナの人たちと東ウクライナの人たちをまとめて、ウクライナという新しい国民国家を形成していくのかに腐心してきた。この国の指導者であろうとすればEU一辺倒もロシア一辺倒もあり得ない。

2月21〜23日の事態の推移を時系列的に辿ると、21日夜の野党の独立広場での「合意」報告会がすごいブーイングで、そのあと過激派の突撃が始まり、ヤヌコヴィッチは逃げるしかない状況になった。21日夜以降の展開は野党もEUも予想外の展開だったのでは、と思う。

暫定政権首相のヤツェニュークとか、国立銀行幹部とか外相とかこれまでも要職に就いてきた人なので、まともな人かなと思ってたんだけど、前政権打倒の「功労者」の右派セクターや「スヴァボーダ(自由)」といった過激な連中が政権内にいるから、引きずられているのかなと。

とにかく民族主義者がロシア系住民をボカスカやる。ロシア人がそれに報復する。あるいはロシア人が先に手を出す。それにウクライナ人が報復する。こういったことが起こらないよう、多くの人が願っている。ボカスカ殴るならまだいい。狙撃で射殺してるわけだから、ひどい。
| about Ukraine | 12:36 | comments(0) | - |
3月20日付『毎日新聞』朝刊8頁掲載コラム
3月20日付『毎日新聞』朝刊8頁に掲載されたコラムをここに載せます。電話インタビューを記者さんがまとめたものなので、かなり短縮されています。私のいちばん言いたかったことは最後の段落です。
| about Ukraine | 12:09 | comments(0) | - |
プーチン氏、妥協探る道も(『朝日新聞』2014年3月8日付朝刊11頁)
『朝日新聞』2014年3月8日付朝刊11頁に掲載した記事です。
| about Ukraine | 16:41 | comments(0) | - |
ウクライナ情勢Twitter(3月7日)まとめ
3月7日に書いたTwitterのまとめです。多少「てにおは」を修文しています。

「先に手を出したのはどっち」みたいな議論は、どこから話を始めるかで見え方が違ってくる。例えば、2014年2月からウクライナ情勢の話を始めれば、右派セクターを中心とする過激派が暴動を起こし、選挙で選ばれた大統領を追い出したことから混乱が始まった。

つまり、現在のキエフの暫定政権には正統性はない、ということになる。それはともあれ、過激派はロシア語の公用語としての地位を廃止することなどを含め、マイノリティであるロシア人に対する反目を扇動している。日本でも大久保あたりで行われているヘイトスピーチのひどいものだ。

この状況ではロシア人(ロシア側から見れば在外同胞)の安全をどうやって守るのかが、ロシア政府の関心事となった。クリミアでは自警団(ロシア軍の介入ということをプーチンは否定している)がここでの多数派のロシア人の防衛を始め、ウクライナ軍基地の封鎖に乗り出した。

プーチンは、今は軍事介入はしないが、可能性はあると言ったが、それはウクライナ領内でロシア人の安全が著しく脅かされることになれば、ロシア軍によってロシア人を守るしかない、ということを言ったまでだ。上院も必要な場合には軍を派遣することを許可した。

こうしたロシアの動きに、EUと、とりわけ米国が敏感に反応し、対ロシア制裁を言い出した。ウクライナは5月25日に大統領選が行われるが、親欧米派が勝利するだろう。

しかし、選挙は、平穏な状況の中で実施されて、はじめて結果が正当なものだと言えるから、5月に発足する政権も、暫定的なもののように見える。国内が安定化するまでには時間がかかるだろうが、そうなったあとに実施される選挙によって成立した政権が、はじめてきちんとした正統性のある政権だと言えよう。

ロシアがクリミアに出兵した(プーチンは自警団だと言っている)ことをもって、対ロシア制裁を言うのは、クリミアに出兵したことが事実なら、一応、理解できる。しかし、他方で、暴力によって政権を取り替えるようなことは不問に付されてよいのだろうか。

「オレンジ革命」は、ユーシェンコ勝利まではアメリカのシナリオ通りに進行したように見えたが、ユーシェンコとティモシェーンコの対立でシナリオは破綻した。今回もアメリカのシナリオ通りに進むのだろうか? 仮にプーチンを沈黙させることに成功したとしても、だからといってウクライナがうまくいくわけではない。

ウクライナが、現在のウクライナのかたちで、中にロシア人マイノリティを抱え込んだまま、国家形成をしていかなければならないとしたら、「多極共存型」あるいは「多文化共生」のシステムをとらざるをえないだろうし(そうしないとEU基準に合格せず、EU加盟できない)、ロシアともうまくつきあっていかなければならない。
| about Ukraine | 10:37 | comments(0) | - |
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