RUSSIAN POLITICS / UENO'S SEMINAR
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2011年ロシア下院選挙結果に対する評価
1.全般的な状況

今回の下院選では、投票率が40%台の連邦構成主体が多く、全体的に低調となっている。

与党「統一ロシア」の連邦構成主体別得票率は、モスクワ市で46.47%だったものの、ヤロスラヴリ州では連邦構成主体別では最低の29.04%で、そのほかモスクワ州32.7%、サンクトペテルブルク市32.47%、レニングラート州33.77%など、モスクワ市など一部を例外として、得票率30%台の連邦構成主体が少なくない。

しかし、全体では、「統一ロシア」の得票率は最終的には50%程度となる見込みで、その結果、国家院での議席数は238議席程度となると予想される。これは、現有315議席からかなりの議席減であるが、過半数の225議席は超えているので、ただちに議会内での立場が弱くなるということはないであろう。
 
第二党のロシア連邦共産党は20%前後の得票率で92議程度となると予想され、現有議席を増加させるものの、「統一ロシア」との議席数の差は依然大きく、国家院における「統一ロシア」の優位性は揺るがないと言える。
 
こうした結果となったのは、「統一ロシア」というより、メドヴェージェフ大統領・プーチン首相のタンデム政権に対する、とりわけその経済政策に対する厳しい評価が背景にあったためと考えられる。

2008年のリーマンショックに端を発するロシア経済の落ち込みは2010年には上昇に転じたものの、物価上昇、失業率の上昇、経済格差の拡大といった問題を生み出しており、メドヴェージェフ政権の経済「近代化」政策もまだ結果が出ていないためである。

事前の世論調査でも、メドヴェージェフ大統領、プーチン首相、「統一ロシア」の支持率は低下傾向にあり、今回の下院選挙結果は、ある程度予想されていたことで、モスクワでの驚きはなく、現地4日深夜に行われたメドヴェージェフ大統領・プーチン首相の記者会見でも、深刻さはなかった。
 
とはいえ、3月の大統領選に向けて、出馬予定のプーチン首相は、勝利は確実視されるとはいえ、さらなる国民の支持取り付けのために、短期的に国民に歓迎されるような政策、例えば年金引き上げ等の政策を実施して、若干なりとも支持拡大を目指さなければならないだろう。
 
2.内外への影響

下院での「統一ロシア」の優位性が維持される以上、外交関係への影響はすぐに現れることはないように思われる。日露の平和条約締結交渉にも直接的な影響はないであろう。
 
今回の結果について、メドヴェージェフは「これが民主主義だ」と努めて肯定的に受け止めようとしているが、メドヴェージェフの首相就任は微妙である。というのも、9月24日の「統一ロシア」党大会で、メドヴェージェフは、「下院選で勝利したら、これまでの近代化の仕事を継続する」との趣旨の発言をしており、この選挙結果が、敗北であると認識されるのであれば、首相には就任しないという含みがあると考えられるからである。
 
もちろん、「統一ロシア」関係者は過半数を獲得している以上、敗北ではないというスタンスであるが、メドヴェージェフを名簿の筆頭に掲げて選挙戦を戦った結果が大幅な議席減である以上、メドヴェージェフの去就は微妙な問題となってきたと言わざるを得ない。
| Russia's Election 2011-12 | 16:23 | comments(0) | - |
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