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<< 国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄? | main |安保法制は違憲なのに自衛隊は合憲なの? >>
国民は選挙で自民党に過半数の議席を与えたのだから安保法案に反対するのはおかしい?

選挙人は、選挙に際して、A党またはその候補者に投票するからと言って、A党またはその候補者の政策および主張をすべて知っていて投票しているわけではないし、仮にすべて知って投票したとしても、A党またはその候補者の政策および主張にすべて賛成しているわけではない。自分が投票する政党または候補者の政策および主張に100%賛成できない限りその政党またほ候補者に投票すべきではないとしたら、どの選挙人も、いずれの政党または候補者にも投票できなくなってしまう。つまり、民主主義とは、選挙がすべてではないし、選挙で過半数を占めた政党の政策および主張のすべてが、国民の過半数の支持を得ているわけではない。

さらに、選挙制度それ自体の性質からみて、一票の格差は別としても、過半数票を獲得した政党または候補者の絶対得票率(投票率×得票率)が50%を超えることなど滅多にない。小学生でも計算できるが、投票率70%、得票率70%でも、絶対得票率は49%である。

だから、直近の総選挙の結果、自由民主党と公明党が過半数の議席を占めたからと言って、過半数の国民の支持を得ているとは言えないし、まして特定の政策や主張に対して支持しているとも言えない。与党および政府の政策に対してごちゃごちゃ言うのは時間の無駄と主張するのは、「民主主義はすなわち選挙である」と主張するに等しいが、民主主義とは、選挙制度の問題だけでなく、個別の政策や行政行為についての説明責任を果たすこと、選挙以外の政治参加の仕組みを構築すること、そもそも個別の法令および行政行為が憲法および上位の法令に適合しているかを個別に審査していく仕組みがあること、さらにすでに施行された、または実施された法令および行政行為に対してさえ、異議を唱え、必要であれば裁判に訴えて、その法令または行政行為を無効または差し止めることが可能となる制度を持つこと、など多様な仕組みによって初めて担保されるものである。議席が多数を占めているから何でもできるわけではない。最も端的な例を挙げれば、議会の多数決によって採択された法令も、裁判所の判断で無効にできるのである。

さらに加えて言えば、ここで問題にされている選挙も、日本では、その選挙制度自体が公正でないため、司法によって「違憲状態」とされてきたことである。

また、安保法制に対する反対の理由についても、考えてみる必要がある。例えば、多くの憲法学者が、安保法制は憲法違反である、と主張していることに注意して欲しい。つまり、憲法9条をそのままにして、政府が憲法解釈を変更することにより、憲法が定めていることから逸脱することは、結果的に憲法の空洞化・無視につながり、憲法に基づいて政治が行われるという立憲主義の基本を掘り崩してしまうという、これこそ民主主義の根幹が揺らぐ事態になっていることを批判しているのである。政府・行政は憲法・法令によって規制されている。その政府が憲法の解釈をし、憲法の規定から大きく逸脱していることに対して、強い危機感を持っているのである。

現在の内容の安保法制を制定するのであれば、まずは憲法9条の改正をしてから行うのが、立憲主義に基づいた民主主義であると私は考える。

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