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安保法案、参院で可決のニュースによせて
安保法案それ自体の中身、与野党の国会運営のやり方というよりも、もっと重要な問題がある。最も重要な問題は、安保法案の内容が憲法違反であるということだ。憲法に違反していても、国会の多数決があれば立法可能なら、憲法は不要であり、憲法の存在意義はない。つまり、立憲主義が無意味化するということだ。立憲主義は、近代国家の基本である。日本にはそれが確立されていないということを世界に対して示したということだ。日本国民は、政治や外交の分野では、ますます世界から信用されなくなるだろう。そのことを私は最も憂える。

安保法案の中身に賛成の人も反対の人も、憲法にどう書かれていようと、内閣が憲法の解釈を変更することができること、国会の多数決で憲法に反することも決めることができることが、よいと考えているのか?

くり返して言う。安保法案は憲法違反である。憲法に違反している法案を多数決で法制化できるのは間違っている。そのことの危険性をもっと多くの国民が認識して欲しい。

私は憲法を改正すべきでないとか、安保法案の内容が間違っているとかと、一言も言ったことはない。それ以前に、法律や行政命令は、憲法に違反してはいけないという当たり前のことを言っているだけだ。安保法案を可決したければ、まず必要なのは、憲法改正のはずだ。

安保法案が可決されたあとは、最高裁が違憲判決を出すということが必要だが、この最高裁が、これまで憲法判断を避けてきている。

私は、日本にいて、自分はこれまで何をやってきたんだと、無力感でいっぱいだ。くり返すが、この無力感は安保法案が可決されたことに対してではない。立憲主義がいまだに確立されていないことにだ。
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