RUSSIAN POLITICS / UENO'S SEMINAR
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2016年12月15〜16日の日露首脳会談について
今回のプーチン大統領の日本への公式訪問は11年ぶりのことだという。もっとも、日露の首脳会談そのものは、もっと頻繁に行われており、2012年5月にメドヴェージェフ氏に替わってプーチン氏が3度目の大統領に就任し、安倍氏が2012年12月に2度目の総理大臣に就任して以降、2013年に4回、2014年に3回、2015年に2回、そして今年、2016年は今回で4回目である。年ごとの首脳会談の回数を見てみると、ウクライナ政変の影響もあって、2014年、2015年と減少傾向にあったが、2016年は2013年と同じレベルに戻ったことになる。

上記の2013年から現在までの時期で、日露関係がもっとも良好だった時期は、安倍総理のモスクワ訪問により首脳会談がおこなわれ、「日露パートナーシップの発展に関する日本国総理大臣とロシア連邦大統領の共同声明」が発表された2013年4月29日から、G7首脳でただ一人、安倍総理がソチ・オリンピック開会式に出席し、首脳会談がおこなわれた2014年2月8日までの時期だったと言える。

上記の2013年4月29日の「共同声明」では、日露間の「戦略的パートナーシップ構築」を目指すことが確認されるとともに、平和条約締結交渉については、「第二次世界大戦後67年を経て日露間で平和条約が締結されていない状態は異常であること」、「平和条約問題の双方に受入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる」こと、「互いの国民感情への配慮を背景として平和条約交渉を進めること」が確認されている。とくにこの「共同声明」において、日露が「戦略的パートナーシップ構築」を目指しているとの認識が示され、日露間で初めて日露外務・防衛閣僚協議、いわゆる「2+2」の立ち上げが合意されたことは、我々に、日露関係が新しい段階に入りつつあることを感じさせるものであった。そして、実際、2013年11月2日に、日露外務・防衛閣僚協議が実施され、翌年2月のソチ・オリンピック開会式にG7首脳の中でただ一人、安倍総理が出席したことで、日露関係は新段階に入ったことが立証された。

しかし、その直後に起きたウクライナ政変と、ロシアによるクリミアの併合、それに対する日本および米国・EU諸国による対露経済制裁の実施は、新しい段階に入ったかに見えた日露関係を再び後戻りさせてしまった。

かくして、今回の日露首脳会談の最も重要な目的は、日露関係のレベルを、日露関係がもっとも良好だった2013年4月29日から2014年2月8日までの時期のレベルに戻すことであった。日露首脳会談の前には、日本ではつねに、いわゆる「北方領土」問題の解決、すなわち平和条約締結に向けて、どの程度、日露関係が前進するのか、ということが話題となる。そして、もっと性急な人々は、島がいくつ返ってくるのか、ということを言い始める。しかし、今回の首脳会談は、ウクライナ政変後、後退してしまった日露関係を元に戻すことであって、平和条約締結交渉に関する具体的な進展は期待できなかった。

したがって、今回の日露首脳会談に対して平和条約交渉の進展を期待していた日本の人々は、その結果に失望したであろう。しかし、今回の首脳会談の目的は、日露関係の修復または回復だと考えていた人々は、その目的はある程度達成されたと評価していると考えられる。とくに「2+2」が再開されることは、日露関係の修復を裏付けることとなるという点で、注目に値する。

ところで、今回の日露首脳会談後の共同記者会見での安倍総理とプーチン大統領の発言の中で注目すべき部分は、両者が、ともに、)綿四島(南クリル)における共同経済活動が「平和条約締結交渉の継続のための互恵的な雰囲気をつくり出すことを可能にする」(プーチン)というロジックを用い、◆崙露、両国民の相互の信頼なくして、日露双方が受け入れ可能な解決策を見つけ出し、平和条約締結というゴールにたどり着くことはできません」(安倍総理)、つまり相互信頼が重要、との認識を示したことだ。

とくに、,遼綿四島(南クリル)の共同経済活動の実施に向けて、ようやく日本側がわずかにロシア側に歩み寄ったことは注目に値する。1990年代にプリマコフ氏(元外相、元首相)が提案し、1998年11月13日に発表された「日本国とロシア連邦の間の創造的パートナーシップ構築に関するモスクワ宣言」において、北方四島(南クリル)における「共同経済活動に関する委員会を設置するよう指示する」と書き込まれて以降、18年ものあいだ、まったく具体的な進展のなかった共同経済活動が、今回の首脳会談後に、少しでも動き始めるとしたら、これはロシア側にとっては外交的勝利と言えるであろう。もちろん、日露間の係争地である北方四島(南クリル)における共同経済活動は、モスクワやサンクト・ペテルブルク、あるいはウラジオストクなどに日露の合弁企業が設立され、活動を始めるのとはまったく意味が異なり、主権や法律に関係する難しい問題があって、そう簡単に進むことではない。だからこそ、もしこの共同経済活動の実施に向けて日露双方が歩み寄ることができれば、平和条約締結に向けて前進することにつながると、両国首脳は考えているのであろう。

今回の首脳会談では、日露のビジネスマンが集い、日露間で新しいビジネスが数多く動き始めることが約束された。このことについては、おおむね順調に進むと思われる。やはり、注目すべきは、北方四島(南クリル)における共同経済活動が動き出すかどうかである。
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