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「テロ等準備罪」新設法案のどこが問題なのか?

私が最も問題だと思うのは法案第6条の2の規定だ。この規定をわかりやすく説明すると以下の通りとなる。

【同じ団体に所属する2人以上の人物が、4年以上の懲役または禁錮の刑が定められている犯罪行為を計画し、その計画に基づいて資金または物品の手配、関係場所の下見その他の準備行為を行ったとき、その人物は、2年以上の懲役または禁錮の刑に処せられる。】

政府が、「テロ等準備罪」と言っているから、テロの準備をしたら罰せられるのだと思うかも知れないが、法案は、「4年以上の懲役または禁錮の刑が定められている犯罪行為」を準備した場合に適用される、と規定している。

で、この法案では、この「4年以上の懲役または禁錮の刑が定められている犯罪行為」にはどのようなものがあるかを「別表第三」に列挙している。それを見ると、私文書偽造、強制わいせつ、収賄、重要文化財損壊、補助金不正受給、特許権・意匠権・商標権侵害、脱税など、非常に多くの、ひょっとしたら普通の人でも犯してしまう可能性のある犯罪が列挙されている。

つまり、テロだけでなく、「4年以上の懲役または禁錮の刑が定められている」普通の(というのも変だが)「犯罪行為」を計画してそのために物品や資金を集めたら犯罪となる、ということだ。

また「団体」というのが、「テロリスト集団」だから、一般の団体は関係ないと考えるかもしれないが、この法案で言う「団体」は、その「4年以上の懲役または禁錮の刑が定められている犯罪行為を実行することを目的とする団体」としているから、これまた普通の(というのも変だが)団体が、この法案の対象となる可能性は十分ある。

警察や司法機関は善意で仕事をしているという性善説に立てば話は別だが、この条文を見る限り、当局がその気になれば、いくらでもテロ等準備罪で人を処罰することができるように思える。

刑法は、基本的に行われたことに対して罰するということになっていて、未遂を罰する場合でも、かなり限定されている。殺人という重大犯罪に関してさえ、「○○を殺してやる」と叫んだだけでは、殺人未遂にはならない(相手に聞こえて、相手が恐怖したら脅迫罪にはなる)。ところが、2人がひそひそ話で「○○を殺してやろうか」と冗談で話したあと、コンビニに荷造りひもを買いに行ったら、殺人「準備罪」になる可能性がある。

法務省ホームページに出ている法案のPDFファイルのアドレスは以下の通り。http://www.moj.go.jp/content/001221008.pdf
また、第6条の2の原文は以下の通り。

第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
 一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮
 二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年以下の懲役又は禁錮

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